WORK 

1990年の第一号の作品から3200を超える樹の鞄が、作り手 亀井勇樹によってつくられました。

イメージを形にする日常は、観る、聴く、切る、削る、磨く、彫る、染める、塗る、組み立てる、、、などの無数の作業の集合体。

そのどれもが、亀井の頭の中にあるデザインと手と、そして木との対話によって生まれています。
 
今日もまた、新しい形を求めて、、、。

Work style & Design

樹の鞄のデザインに、決まった型を作らないのには理由があります。
樹の鞄は、大地に150年根を張り生きてきたシナノキを、削り彫り、作品にします。
切られてしまった樹の命をもらって作品にするということ。
単なる材料として樹と向き合うのではなく、生きてきた分以上命を形として残す。
それがライフワークと位置づけています。
規格を決めてしまうと、作業は単純で楽になりますが、それぞれ違う原木からは、たくさんの無駄がでてしまいます。逆に型を決めなければ、樹に合わせた自由な発想で、端から端まで作品としてその命をつないでいけます。その根底にある思いと、感性を失わない。その2つの思いが、創業当初から変わらず「同じものはつくらない。 手仕事でデザインを統一することのない仕事のスタイル」に結びついているのです。
 

素材

樹の鞄は樹齢150年以上の日本・北海道産の日本固有種シナノキ(学名: TiIia Japonica SimonKai)を使用しています。
数ある材の中から、工法の基本である彫刻が施しやすく、弾力性に富み衝撃に強い、柔軟で軽く、杢目が優しく美しいものとして選び抜いた材です。樹の鞄は、伐採したシナノキの原木を製材するところからデザインが始ります。その樹の持つ杢目や色などからイメージを膨らませ板に製材した後、数年から10年程の時間をかけて、ゆっくりと自然乾燥します。このようにして乾燥と湿潤を繰り返しながら、反りや歪みのない安定した状態になった材を鞄本体に使用しています。開閉部分の留め具も同様にしてこちらは摩耗に耐えうる堅木の材を選び使用しています。

工法

強度と持ち運べる軽さの両方を追求し彫って仕上げた内部。三次元立体の美しい外観。一枚の板や枝から削り上げたハンドルと留め具。すべてオリジナル工法で、そのすべての工程を創業から現在に至るまで亀井勇樹ひとりで行っています。あえてデザインに型を持たず、彫刻、染めや塗りなどの仕上げによって、まったく違う作品となるよう心掛けて制作しています。亀井勇樹の感性、「その時」を刻み込んだ作品には、お客様と樹の鞄をつなぐ大切な証としてシリアルナンバーとサインを心を込めて刻印しています。

彫刻

デザインの表現方法としての彫刻は、絵を描くように自由で繊細な世界。
材との対話から生まれるインスピレーションや、逆に彫刻で表現したいデザインを材に描きます。底部分にも模様を刻みます。初めは滑り止めと軽量化のためにしていた底の模様が、今では全体のデザインの一部として、またはそれ以上の本体と違った印象の驚きをスパイスとして込めた、亀井の遊び心あふれる世界をお楽しみください。

塗り

杢目や彫刻が映えるよう、主に染料や日本古来の柿渋や弁柄、胡粉などを使用して染め、定着、漆の技法、彫刻、研ぎなど多様な方法で表現しています。また、時には本体にフリーハンドで絵のように描き仕上げる作品もあります。漆やコーティング剤を使用することで、色落ちや雨の日のお出かけにもご心配なくお使いいただけます。

留め具

樹の鞄の留め具は、作り手が数年の試行錯誤の末に開発したもので、開閉が簡単で使いやすく、摩耗に耐えうる堅木の材を数種類使用し強度も保ちながら、デザイン性も兼ね備えています。枝そのものの風合いを生かしたものや細かい彫刻、螺鈿、漆技法など様々な手法を使って表現し、鞄全体のフォーカスポイントとなっています。