つくり手の庭の1年間

トレジャートローヴとカツラのお話
トレジャートローヴとカツラのお話

By 亀井勇樹

メイン通路を挟んで、つるバラの古木トレジャートローヴとカツラがあります。19年ほど前に植えました。 トレジャーは、幼い頃見た記憶を頼りに村田晴夫先生に選んでいただいた大切なバラです。杏色から淡いピンクが時間によって移ろう美しい品種です。 村田先生から「10mくらい伸びるけど、大丈夫?」と聞かれましたが、開墾して広々していた当時の庭は寂しく、10mの大きさがピンときていませんでした。 シンボルツリーのカツラもどんどん、どんどん大きく育って、以前のような鈴なりのように花をつけることがないトレジャーになってしまいました。枝ばかり育ってゲートのガゼボには収まりきりません。帽子をかぶったようなきれいな形に仕立てようとするには、もう少し枝が柔らかく繊細な品種でなければ、無理をさせてしまします。 バラは、日の光と風が何より好きな植物です。四方八方に枝が暴れるトレジャーは、手に負えないくらい枝を伸ばして毎年大暴れ。近年は、風を利用してトゲをひっかけながらカツラを頼りに上へ上へと日の光を求めはじめています。
ポールズヒマラヤンムスク・ランブラー
ポールズヒマラヤンムスク・ランブラー

By 亀井勇樹

うちのシンボルツリーは、「みんなの木」と呼んでいるカツラですが、 つるバラたちをシンボルツリーに、という考え方もいいかもしれません。 中でも「ポールズヒマラヤンムスクランブラー」は古木の桜のような趣でどこまでもどこまでもしなやかに枝を伸ばして、細い若枝の先にさえ、ぎっしり美しい花を咲かせる優秀品種。 「微香」だなんて表記は間違い、そう思います。 ここまで育つと、ノイバラのような飾らない甘い匂いで、ここがどこなのか一瞬わからなくなるほど香ります。 一年でわずか数日間、別の世界へ誘われながらひととき陶酔するのです。 今夜雨の予報になりました。 この姿は、また来年に、ポールズがそう言っている気がします。  
酵素シロップ作り
酵素シロップ作り

By 亀井勇樹

昨年お客様から素敵なご提案をいただきました。それが、酵素シロップ作り。 庭の花や果物、野草でも、どんぐりでも組み合わせはなんでも! そこで去年から、バラの酵素シロップを仕込んで、夏の間サイダーにして飲んだりしています。 栄養たっぷり、バラの香りが蓋を開けるとむせるよう。。。 そして、毎日手で混ぜるという作業も楽しい。。。 今夜から激しい雨になるとの予報を聞いて、花びらが落ちる前に早速2瓶ほど仕込みました。ついでに庭イチゴとオレンジとレモンのシロップも。 2週間後が楽しみです。
ヘリテージ
ヘリテージ

By 亀井勇樹

イングリッシュローズの中で一番古いのは、このヘリテージです。 清楚な花の形、色に加えて、とにかく香りが素晴らしい。 花開くと、胸の奥の奥まで届くように、行き渡らせるように嗅いでしまいます。ダマスクローズのような濃さではなく、花に似合う爽やかな濃い香り。。。 作出者のデイビット・オースチン氏が「ヘリテージ」(遺産)と付けられた、つくり手の思い、、、出来上がったときの喜びに思いを馳せます。
クレパスキュール 黄昏という名の。。。
クレパスキュール 黄昏という名の。。。

By 亀井勇樹

クレパスキュールが今年見事に開いてくれました。今ある場所に移植したのは4年前。小屋を作るにあたって庭に大きく手を入れた時に、移しました。 ノアゼット、と呼ばれる系統に属しています。しなやかな枝を伸ばすのが特徴ですが、生育はのんびり。移動してしばらく花つきが極端に悪くなってしまって枯れてしまうのでは、、、と心配していました。 少しずつ伸ばした枝を隣のシナノキに誘引してみたのがよかったようです。 以前のように勢いが戻ってきてお日様に向かって新しい枝を伸ばし始めました。 クレパスキュールの儚げな花形と、少しせつないようなグラデーションがかった淡いオレンジ色。フランス語で「黄昏」という意味だそうです。
月日
月日

By 亀井勇樹

偶然、17年前の今日の写真を見つけました。同じ角度から撮った写真で見比べてみてもどこだかわからないくらいにみんな大きくなりました。 ポールズも、樅木もちっちゃい。時が流れたのだと思いました。
檸檬色のサントリナ
檸檬色のサントリナ

By 亀井勇樹

葉色がシルバーのサントリナも可愛いですが、日野春ハーブガーデンさんでめずらしい檸檬色の花が咲くサントリナを見つけて大切に育てています。毎年少しずつ蕾を増やしてくれています。
アンテミステットワース
アンテミステットワース

By 亀井勇樹

去年出会った苗でした。シンプルな花形とやさしい色味、葉色のシルバーも爽やかな形も、大好きになりました。旺盛にこんもり繁って風景を作ってくれます。でも昨年は、大きく順調に育っていた矢先、雨が続いて痛んだまま枯れてしまいました。今年は冬越しして来春を迎えられますように!風通しに気をつけながら見守っているところです。
山のオダマキ
山のオダマキ

By 亀井勇樹

原種に近いこのオダマキが今年もたくさん育ってくれています。散歩の途中で見つけた子を少しずつ移植しながらオダマキコーナーを作っています。つくり手の大切なコレクションです!
マダムプランティエ
マダムプランティエ

By 亀井勇樹

マダム、、、なんて名前ですが、ツンとしているところなど一つもない可愛いバラです。しなやかな細枝、むせ返るような甘い香り、薄い花弁を幾重にも重ねて中心にはグリーンアイズ。中央のガゼボをフランソワーズジュランビルとともに覆ってくれています。ジュランビルはやや遅咲きのため少し花期がずれるのもありがとうです。いつ見ても清楚!「つるバラの魅力が詰まっています。」と、村田先生が勧めてくださったこの子を大事にしたいと思います。。。
よーいどん!
よーいどん!

By 亀井勇樹

掛け声に合わせたように、一斉に花開き始めました。一般的にはバラは早咲き、中間、遅咲きがあって、長い時では1ヶ月近い開きがある時もあるのに、今年はみんな揃って起きちゃった。そんなに急がないで!あっちもこっちもで目が回りそうです。
イチゴの小径
イチゴの小径

By 亀井勇樹

ほったらかしのイチゴがランナーを伸ばしに伸ばし、匍匐植物の代わりに小径を作ってくれています。 土というより砂利の上が好きなのかな? それでも甘くて美味しいイチゴが今年もいっぱいなっています。 庭仕事の合間にちょいちょい食べる楽しみ。 庭に出れるようになったはのんは、イチゴが好きらしい「天敵アナグマ」さんから守らねばと思ってくれているのかな?

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